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ドイツ人の友達をドロドロの柔術沼に引き込んでしまった話。

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こんにちは、管理人のトミショーこと富本です。

半年ぶりにブログを書いています。

トミショーこと富本っていうなら最初から『富本です。』でいいんじゃないかなと思いつつも、ブログの最初の序文って何を書いたらいいか200記事以上書いてもいまだによくわからないので、いつも通り『トミショーです。』の入りから記事を始めていきたいと思います。

だいたい序文なんて、書く側は読み手の事を考えて、読み手が記事に入り込むように〇〇を工夫して〜と色々とセオリーがあるみたいで、今までの自分もそれなりに工夫して色々試していたんですが、いざ読み手側になってみると序文のことなんて全然覚えていないし、全く意識していないんですよね。

はい。すみません。

そんなどうでも良い序文はさておき、さっそく本題に入っていきたいと思います。

ただ、本題と言っても大した本題があるわけではありません。

今回はひょんなことからできた、今ではすっかり柔術家のドイツ人のジョーダンとの出会いから別れまでについてをまとめた内容です。

この記事を読むことによって、、、

    ・柔術が上手くなる
    ・仕事の生産性が上がる
    ・なんか新しいことを知った気になる。
    ・なんかわからんけどレベルアップした気になる。知らんけど。
    、、、、、
    みたいな効果は全くありません。
    生産性が上がるわけがないですし、ましてや割と長文になってしまったので、全部読むのに5分近くはかかるでしょう。

ですので、生産性のある情報を求めている方は今すぐにこの記事を読むのを辞めるのをオススメします。

そうですね、生産性命の人はこの記事を読むよりも、こちらの本を読んだ方がよっぽど有意義な時間を過ごせるのではないかと思います。

すみません。

半年ぶりにブログを書くブランクからか、ブログ界ではタブーとされている、序盤でいきなり記事の内容に全く関係のないアフィリエイトのリンクを貼るという暴挙を犯してしまいました。お許しください。

久しぶりにブログを書いていたらなんだか楽しくなってしまいまして、しょうもないノリで既に皆さんの数分間を無駄にしてしまってすみません。早速本当に本題に入っていきたいと思います。

一年以上ぶりに柔術を再開

先日一年半近く休んでいた柔術道場に復帰しました。

柔術道場の門を叩いた22歳以来、どっぷり柔術の魅力にはまって、それ以来数年間は柔術のことばかり考えて、柔術が生活の中心と言っても過言ではないくらいハマっていましたが、ここ数年は結婚し子供ができ、専門学校の夜学に通ったりと私生活の方で大きな変化があり、あれだけハマっていたのが嘘みたいにすっかり柔術への熱が薄れ、気がつけば一年以上が経過していました。

もう膝も悪くなってしまったし、休んでる間にすっかり熱が冷めてしまったので辞めようと思っていたのですが、たまたま趣味でやっていた語学学習アプリ『ハロートーク』で何やら外国人からメッセージが。

 

こんにちは、ジョーダンです。あなたのプロフィールを見ました。ブラジリアン柔術が好きなんですか?私も好きです。日本で練習したいと思っています。

 

最初は目を疑いました。

 

ブラジリアン柔術はなんだかんだ言っても、まだまだマイナー競技だし、存在を知っている人も少ないです。

最近行われた柔術の世界大会の一つである、ワールドマスターに日本からも著名人が数人出場されたことで、メディアでもチラホラ取り上げられるようになりましたが、それでもやっぱりまだまだ認知度は低め。

そんな中、道場以外で柔術が好きという人とコミュニケーションが取れるのは非常に稀です。

すぐにメッセージを送り返しました。

はい。ブラジリアン柔術が大好きです。僕は大阪で練習していますが、良かったら一度一緒に練習しませんか?

 

どうせ会話のスタートとして社交辞令としてメッセージを送ってきただけだろうから、実際に来ることはないだろうなと思いきや、それからあれよあれよの間にメッセージのやり取りが続き、なんとガチで体験に来ることに。

聞けば、筆者の家からそう遠くない場所に住んでいるとのことだったので、車で迎えに行って一緒に道場に向かいました。

柔術歴半年の白帯ということだったので、まだまだ初心者に一本毛が生えたレベルかなと思っていたのですが、ベリンボロは一発でできるようになるし、体験の日からガンガンスパーリングするしでとても初心者に毛が一本や二本生えているレベルではありません。

既に脱毛が必要なくらいボーボーに毛が生えているレベルです。

『これは、もはや柔術道場に入会するよりも、脱毛サロンに入会した方がいいんじゃないか?いや、でもボーボーなのは本物の毛じゃなくて、柔術の才能だから脱毛サロンじゃなくて道場に入会するべきか。。。』なんてしょーもないことを考えている間にその日の練習は終了。

これは練習したらすぐに強くなるだろうなと思いつつも、流石に異国の地で言葉がわからない中、自宅からもかなり遠い道場に入会することはないかと思い、ジョーダンを車で送り届けて帰宅。

またやりたかったらいつでも連絡して!自宅から近い道場も紹介できるよ!

とのメッセージを送り、その日は終了。

すると翌朝。

入会します。

のメッセージが。

マジか!と驚きと喜びでスマホの画面を二度見したのを覚えています。

そこからまたしてもあれよあれよの間にメッセージのやり取りを重ね、翌週には入会。

道着は筆者の道着コレクションの中でジョーダンにちょうど良いサイズのものがあったのであげました。

ジョーダンは当時、城北公園通駅の目の前に住んでいたのですが、なんと遥か北にある箕面のモンスターハウスに本当に入会しました。

自宅から道場までのその距離なんと17キロ。

いや、地方の人からすれば大した距離と時間ではないかもしれませんが、大阪でも市内に非常にアクセスが良い場所に住んでいる人がわざわざ通う場所ではありません。

ましてや、モンスターハウスは最寄駅から徒歩20分弱で、しかもその時間の大部分が坂道です。

筆者の知る限り、市内からわざわざ電車で来て、そこから歩いて道場まで来ている会員さんなんて一人もいません。

その事をジョーダンに伝えると、『じゃあ、自転車を買って自転車で通うよ!練習前の良いアップにもなるでしょ!』の一言。

いやバカかと。

アホ抜かせと。

先述した通り、モンスターハウスは箕面にありますから、大阪市内からだと新御堂筋という道路を北上してくる必要があるのですが、その際に通る吹田市と豊中市は大阪では坂道が多いことで有名な坂道タウンです。

電動自転車がないと日常生活もままならないくらいの坂が多数存在しているような街です。

筆者は20代前半の頃から吹田市や豊中市に住んでいますが、冗談でなく、20代ぴちぴちの男性でも自転車を押さないと登れない坂が結構あります。

写真では伝わらないこの勾配。

自転車でそんな坂を昇り降りして練習に来ていたのは、過去に2年程在籍していた土屋っていうバカだけです。

なんか全然練習してないのに、アダルト紫帯で日本一になっていましたけど。

今は浅草でカフェとうどん屋の経営を頑張っているみたいです。

https://www.instagram.com/cafeasari/

とまあ、やや話が脱線してしまいましたが、電動自転車ではなく普通の自転車を使うとなると、練習前のアップになるどころか、道場に着く前に力尽きてしまう。

そんなレベルの坂道です。

ジョーダンはワーホリビザで1年間日本に滞在している状態ですから、そんな状況の中、わざわざ10万〜20万もする電動自転車を買ったりはしないでしょう。

聞いてみると案の定、『ママチャリで通うつもりだ!♪』との一言。

いや、バカかと(2回目)

何度かママチャリで大阪市内から箕面まで通ったみたいですが、『流石にこれはしんどくて通えない』とのこと。

いやそりゃそうだろと思いつつも、流石に自分きっかけでモンスターハウスに入会したことから、ほっとけないとのことで、それからは毎週2回、曜日を合わせて車で一緒に道場に向かうことにしました。

私の家が比較的江坂駅に近いこともあったので、城北公園から江坂まで出てきてもらって、そこから合流し、帰りは新大阪まで送るルーティンです。

モンスターハウスは平日の練習は21時〜23時とやや遅めなので、終わってから掃除して20分歩いて最寄駅に向かう流れだと終電に乗り遅れるので、城北公園通まで乗り換えなしで行ける新大阪まで送ることに。

当時の自分は柔術が大好きではあるものの、怪我とブランクもあり、やや柔術熱が下がっていた状態でしたから、このルーティンがジョーダンにとってはもちろんですが、自分にとっても良いように働き出しました。

やはり柔術は謎の中毒性がありますから、あれだけ冷めきっていた柔術に対する熱量が練習を再開するにあたって、沸々と湧き上がってきます。

加えて車の中で、ラッソーがどうとか、クローズドガードがどうとか、同じ趣味を持つ同世代との会話の時間はやはりなんだかんだ楽しいもので、この『ジョーダンを送り届けるために週2回道場に行く』というルーティンが非常に良いように働きました。

思えば柔術を始めてから紫帯を巻くようになるまでは、いかに強くなるか、いかに早く帯の色を上げていくかのことばかり考えていて、柔術が上手くなりたいの一心で道場に向かっていたのもあって、怪我をしてからなかなか本気のスパーとかが怖くてできなくなっていたこともあり、そんな状態じゃ強くなれるわけもなければ、試合にも出れないし、帯も上がらないから、柔術を続けていても意味がないかなと思っていたのですが、そんなことありませんでした。

柔術はこんなに楽しいんだから、『別に、自分ができる範囲で運動不足解消やストレス発散の為に続けていても良いじゃないか』と考えが変わりました。

強くなる以外嘘だという思考だった自分の考えが、徐々に楽しめたらそれでいい。という考え方に変わってきました。

ジョーダンもそれは同じようで、『柔術はやっているととても楽しくて中毒性があるけど、強くなりたいとかそういった理由ではなく、純粋に楽しんで運動できればそれで良い』との考えだったので、その点においても考えが一致し、期間にして約2〜3ヶ月、一緒に練習と駅までの道のりのドライブを楽しみました。

そんなこんなで毎週一緒に道場に行く生活を送っていたものの、急遽ジョーダンが京都に引っ越すことに。

京都はやはり外国人から見たら特別な場所みたいで、ずっと京都に住みたくて京都のウィークリーマンションのキャンセル待ちをしていたところ運よく空きが出たとのことで、すぐにも引っ越すことになりました。

大阪で住んでいた場所もウィークリーマンションだったので、話が決まれば早いものです。

『引っ越すよ』という話が出た2週間後にはモンスターハウスを退会して京都に引っ越していきました。

残念ですが仕方ありません。

滞在できる期間が決まっている中、住みたい場所に住めることになったら誰しも迷わず行くでしょう。

京都でも柔術を続けてくれたらいいなと思いながら一旦お別れ。

そこから1ヶ月近くが経過し、週に2回ジョーダンをジムに送り届けるという目的がなくなってから、自分が道場に行く頻度も一気に減ってしまい気づけば再び休会状態。

そんな中、京都に引っ越したジョーダンから突然メッセージが。

 

『へい、ショータ!京都の柔術ジムに入会したよ!』

 

いや、マジかと。(2回目)

 

引っ越し先で続けるくらいガチでハマっていたのねと。

 

しかも、モンスターハウスに入会した理由の一つは会費が安いから(当時の月謝は6600円税込)だったのに、調べてみるとジョーダンが入会した道場の会費は11000円。

柔術の道場として別に特別高い料金ではありませんが、モンスターハウスと比べたら2倍近い料金です。

この条件でも続けるくらいですから、相当ハマっているのでしょう。

聞けば週に3〜4回は練習しているとのこと。

二部連する事もあるとか。

いや、どんだけハマっとんねん。仕事しろや(笑)

という冗談はさておき、それからというものの、流石に一緒に柔術をする機会は無くなってしまいましたが、京都と大阪の間でお互いに合流しやすい梅田でよく飲みに行きました。

ジョーダンはドイツ人なので、やはりビールが好きなのですが、大阪の福島のガチャガチャした居酒屋で一緒に酒を飲んでいる際、いきなり『ショータ、僕は9月中旬で一旦ドイツに帰るんだけど、日本にいた思い出の一つとして柔術の試合に出てみようと思っているんだ』と一言。

マジかと。(3回目)

ついに試合に出るレベルでのめり込み出すとは、完全にこっちの世界に入り込んできたな。

なんて思っていると、スケジュール的に関西で行われる大会には出れそうにないから、わざわざ東京まで行くというではありませんか。

マジか(4回目)

そんなにハマってくれたのは嬉しいことに違いないのですが、ジョーダンは新幹線で東京に行くとのことなので、交通費で最低3万円は必要です。

加えて最近は道着チェックが厳しい事もあり、今持っている道着では試合に出ることができないので新しい道着を買う必要があります。

関西から関東までの新幹線の交通費と試合のエントリー代、道着の新調代などを合計すると5万円は軽く超えてきます。

流石に思い出作りの為だけに5万の出費はきついだろということで『流石に冗談だろ?ジョーダン』というクソほどしょうもないボケをかましたところ、渾身のスルースキルを発揮され『ドイツに帰ってからも柔術を続けるつもりだし道着をもう1着買うのは構わない』とのこと。

マジか(5回目)

どうやらノリで言ってるわけではなくガチみたいです。

ということで大会スケジュールを調べてみると、ちょうど東京で行われるデラヒーバカップがジョーダンのスケジュールと一致。

なんと翌日にはエントリーを済ませガチで参戦することに。

それからのジョーダンというものの、まぁ〜練習するわするわ。

ジョーダンが所属している道場のインスタグラムのポストに毎日その姿が映っています。

なんでも『エントリーすることによって、自分自身を柔術にフォーカスさせて、練習に行くモチベーションを高めているんだ』とのこと。

もはや、柔術の試合に出るために日本に来たくらいの勢いのことを言っていますが、真剣に練習していることは間違いないようなので、ちょうど同じ日に紫帯の試合も開催されるということから(筆者は紫帯)、私もエントリーし出場するのと同時に、ジョーダンの勇姿を見届けることにしました。

いざ東京へ

というわけで、いざ東京へ。

ちょっと個人的にコロナになったりと色々あって、自分自身が試合に出ることは取りやめたのですが、ジョーダンは変わらずハードに練習していたとのことで、いよいよ試合当日がやってきました。

ジョーダンが出場するマスター1白帯ミドル級はエントリー数3人。

オープンクラスにも出場しますが、階級別は3人トーナメントとなりました。

よく試合に出る人ならわかると思いますが、この3人トーナメントって本当にしんどいんですよね。。

上のブロックで負けた人は、ほとんど休憩が取れない状態で2試合目に向かわないといけないし、その相手はまだ試合をしていないフレッシュな状態なんで本当に地獄です。

ましてや2試合目で勝ったとしても、そのまままた間髪入れずに、一度負けた相手とすぐに試合しなければいけないので、簡単そうに見えてメンタル的にも相当しんどいのが3人トーナメントです。

いくら東京といえども、土曜日に開催される試合のマスター1白帯ミドル級ですから、最初からエントリー数が少ないことは予想していましたが、個人的には最悪の展開です。

『負けてももう1試合ある』というのは、同じエントリー費を払うならいっぱい試合できた方がお得という考え方もありますが、仮に2試合連続でボッコボコにされたりしたら、柔術が嫌いになってしまう可能性もあるので。。。

ジョーダンは初めての試合なので、できれば4人トーナメントかワンマッチが理想でしたが、こればっかりはコントロールできることではないので仕方ありません。

ジョーダンにその旨を伝えて、もし仮に1試合目の相手が明らかに強い場合、2試合目に向けてエネルギーをセーブした方がいいとも伝えます。

1試合目の早い時間で大量リードされた場合は、もがき続けて5分間動き体力を消耗するよりかは、2試合目に向けて力を残しておいた方が得策です。

仮に2試合目の相手と実力が拮抗していても、疲れている状態であれば勝てるものも勝てなくなりますから。

1試合目の相手が外国人で、名前や佇まいを見るからに明らかに強そうだったので、ややこすい作戦ではありますが、そんな感じで頑張ろうと伝えると、『せっかくの機会だし、沢山練習してきてスタミナには自信があるから、仮に相手が強くても諦めずに最初から最後まで頑張るよ。』とジョーダン談。

『ま、マジか(6回目)こいつ日本人の俺よりも大和魂を持ってやがる』と思い、やや自分が恥ずかしくなるのも束の間、ジョーダンの道着チェックの時間がやってきます。

前泊して東京イサミで購入した道着を着用し無事チェックをパスすることに成功。

ここまできて道着チェックに引っかかって試合に出れないなんて洒落にならないので一安心です。

にしても、東京という街で外国人同士がブラジリアン柔術の試合で取っ組み合うって考えたら、なんだか世の中は本当にインターナショナルになってきたなと実感します。

実際、ジョーダン以外にも外国人が沢山出場していたので、東京という街とブラジリアン柔術という競技に間違いなく魅力があるのでしょう。

そんなことを考えているとあっという間にジョーダンの試合の時間が目前に。

今回の会場であった東京武道館ではマットサイドには選手しか入場できず、セコンドは二階から行う形式でしたから、道着チェックと計量を終えてからは一人きりです。

初めての試合です。

相当緊張しているのでしょう。

二階から大声で呼びかけても聞こえていないのか、全然反応がありません。

これはまずいなと思っている間に試合が始まってしまい、緊張で明らかに動きが悪いジョーダンは序盤こそ健闘していたものの、結局最終的にはテイクダウンとパスガードを許してしまいあえなく敗戦。

一本負けこそしなかったものの、このトーナメントではあまり嬉しくない状況に陥ってしまいました。

短い合間時間に休憩場所に戻ってくるなり、『緊張していつもの調子が出せずうまくいかなかった、今腕がパンパンすぎてヤヴァイ☆』みたいなことを言っています。

二階からの声聞こえた?の質問には『全然聞こえなかった』とのひと言。

あまりの緊張にセコンドの声なんて聞こえなかったんでしょう。

ちょっとマッサージくらいしてあげられればよかったものの、合間時間がほとんどないので、すぐさま選手待機場所へ。

聞こえないだろうなと思いつつも、二階から声をかけてみると、さっきと同じ声量なのに、はっきりとこちらの声が聞こえている様子。

どうやら一試合目負けたことで逆に吹っ切れて緊張が抜けたみたいです。

スタミナには自信があると言っていたので、これは期待できるかもしれないと思ったところで試合開始。

早速立ちの攻防になりますが、一試合目より明らかに動きが良くなっています。

硬さが抜けているので、これは期待できるなと思ったのも束の間、ジョーダンがフロントチョークを狙おうとセットアップしたところにタックルを合わせられ、またもやテイクダウンのポイントを献上してしまうスタートに。

試合は2ポイントで決まることが非常に多いので(2ポイントの壁。特に白帯)、せっかく動きが良かったのにまたしても悪いスタートだと思っていた瞬間、クローズドガードから瞬く間にキムラをセットし、そのままスイープマウントに成功。

なんと一気に6点を奪い逆転することに成功します。

マジかっっっ!!!!(7回目)

何度目のマジか?!なんて思っていたら、あれよあれよとそのまま腕十字に移行し、なんと見事一本勝ち!(驚)

初めての大会で勝利するだけでも上出来なのに、まさかの一本勝ちを決めてきました。

3人トーナメントなので、またしても次の試合まであまり時間がないものの、合間時間に話を聞いてみると、『一試合目と違って緊張しなかった。セコンドの声も聞こえたし、良いアドバイスが助かった。ありがとう。』みたいなことを言っています。

『いえいえどういたしまして』とか言いつつ、俺そんな良いアドバイスしたっけな?と思って動画を見返してみたら、腕十字の時にヒップアップをひたすら連呼しているだけでした。

俺の英語の語彙力マジか(測定不能)

そんな感じで、自分の英語力にがっかりしているうちにジョーダンの最後の試合が始まります。

決勝は最初に負けた一試合目の相手との再戦です。

最初の試合は最終的にはポイントで差がついたものの、途中良い時間もあったので、決して勝てない相手ではないと思いポイントを伝えてジョーダンを送り出します。

『もしこの試合でリベンジに成功して初試合で初優勝なんてかましたら、もうそれはマジかくらいではすまないぞ。。。』なんて思っているうちに試合が始まりました。

しばらく立ちの攻防が続きます。

ジョーダンは立ちの攻防がそれほど強くないのであまり良くない展開です。

早く引き込んだ方がいいことに間違いないのですが、相手のプレッシャーも強いのでしょう。

なかなか引き込めない状態で立ちの攻防を続けていると、案の定ぶん投げられて2ポイントを奪われます。

やはり立ちの攻防はよっぽど自信がない限りやるべきではありませんね。

テイクダウンされて悪いポジションから始まったこの試合はそこから一方的な展開となり、極められることはなかったものの、一試合目以上の大量リードを許してのポイント負けとなりました。

ジョーダンのスタミナ切れもあったかもしれませんが、ここは相手が一枚も二枚も上手でしたね。

リベンジ戦となった決勝はあえなく敗退。

ジョーダンの銀メダルが確定です。

ジョーダンはその後、オープンクラスに参加するものの、そこでは結果的に優勝者となる人相手にポイント負け。

初めての大会は最終的に四試合をこなし、一勝三敗という結果に終わりました。

結果だけ見れば負け越しとなりましたが、初めての大会で一勝し、しかも腕十字を極めたのですから上出来でしょう。

表彰式の際も『とても楽しかった。』と満足そうです。

思うに、試合で負けるという経験は柔術において最も辛い瞬間ではありますが、同時に最も多くのことを学べる瞬間でもあります。

技術的、戦術的な改善については勿論ですが、恐怖心に打ち勝って試合に出る勇気、挑戦する勇気など色々なことが学べます。

今回のジョーダンの場合、柔術の技術戦術的なことでいうと、四試合全てでテイクダウンのポイントを献上してしまっているので改善点は明らかでしょう。

2ポイントは柔術の試合において、時にとてつもなく高い壁になります。

立ちの攻防をもっと練習するか、安全にガードに引き込めるように、引き込みの練習をする必要があることに間違いありません。

ただ、不思議なことに試合で極められた技はいつの間にか自分の得意技になるので(これって柔術あるあるですよね?)きっと次にジョーダンが試合に出る際は対戦相手をバンバンテイクダウンしていることでしょう。

今からジョーダンの次の試合が楽しみです。

聞けばジョーダンはドイツに帰国してからも柔術を続ける予定で、来年の冬にもう一度日本に戻ってくる予定のようです。

相当ハードに練習していることから、その頃には青帯を巻いててもおかしくないかもしれません。

『強くなりたいという目的ではなくて、ただ単純に楽しむことが目的で柔術をやりたい』と言っていたジョーダンは一体どこに行ったのでしょうか?

人間考え方が変わる生き物なんですかね?

それともただのジョーダン(冗談)だったのか。

きっとこんな感じでみんな柔術中毒の病に犯されていくのでしょう。

ちなみに皆さんは何故柔術を続けていますか?

強くなる為?

楽しむため?

それとも単に運動不足解消?

最近の私は強くなりたいという欲望が薄れていて、柔術をやる意味や目的がわからなくなっていたのですが、目的とかそんなのどうでも良かったです。

ただ楽しいのと、柔術を通じて出会える色々な人との出会いが楽しいから続けているんだなと再確認できました。

柔術の底なし沼に足を踏み入れてきたジョーダンが教えてくれました。

楽しくて続けていたらそのうち試合にも出たくなってくるでしょうから、その時対戦する可能性のある方々はどうかお手柔らかにお願いいたします。

また、日本に戻ってきて数ヶ月過ごす際に、もう一度日本で柔術の試合に出ると言っているので、皆さんも会場のどこかでジョーダンの姿を見かけるかもしれません。

その時は是非『へいジョーダン、ワッツアップ?』と声をかけてあげてください。

ヒップアップじゃありませんよ、What’upです。

使ってない道着を譲っただけなのに、それに気を使って3回も晩飯を奢ってくれるような義理堅い男です。

日本で沢山友達を作りたいとも言っていたのできっと喜んでくれると思います。

きっと今頃ジョーダンはドイツに変える旅路の途中で休憩しているところでしょう。

物理的には遠くなっても、柔術を続けていればそのうち会えるし問題ありません。

Hi Jordan! you take care!

それでは長くなりましたが最後までお読みいただきありがとうございました。

追記

ちなみに今回東京武道館に行ったついでに浅草の土屋のカフェに寄りました。

Wi-Fiもあって休憩できることから近くで柔術の試合がある際に休憩したり小腹を満たしたりするのに良いかもしれません。

お近くの際は是非寄ってやってください。

https://www.instagram.com/cafeasari/

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トミショー
ブラジリアン柔術が生きがいです。 柔術家に関する役立つ情報や、柔術に関する面白い記事を書けるように努力していますので、是非サイト内を色々と回ってみてください。