『ラッソーガードがうぜええええっxええええええ!!!!!』
ラッソーがパスできなくてムカつくうぅ!!!!!
こんなお悩みを抱えている柔術家の方はいないでしょうか?
『ラッソーガード』
数あるガードの中でもパスするのが最も難しいガードの一つですよね。
白帯の試合なんかでは、ラッソーを外せないまま膠着してしまい、そのまま動きがなく試合が終わることなんかも少なくありません。
それだけ解除するのが難しいガードの一つであることが間違いないラッソーガードですが、、、大丈夫です。
ちゃんとポイントを踏まえて、正しい手順を踏めば、どんな強固なラッソーガードも解除できます。(できるはず。。。)
そこで、今回の記事では、『ラッソーガードをぶっ壊す!!』というテーマで、ラッソーガードをされた際に絶対に意識したい5つのポイントと、代表的な形の一つである『ラッソー+スパイダー』のパスガードの方法についてまとめました。
ラッソーガードに悩まされている全ての柔術家の方々、必見の内容です。
ラッソーガードの解除の仕方がわかる。
ラッソーガードのパスガードの仕方がわかる。
パスガードが上手くなる。
ラッソーガードをする際のポイントについては以下の記事でまとめています。
ラッソーガードを得意としている柔術家に、ラッソーをする際のポイントについて語ってもらっています。
ラッソーガードがなかなか上手くできない人や、ラッソー を上手になりたいと思っている人に取って参考になる点が沢山あると思いますので、是非こちらもお読みください!
それでは、早速本題に入っていきましょう!
人は何故、ラッソーガードを嫌うのか。
『ラッソーガード』
この言葉を忌み嫌っている柔術家の方も多いのではないでしょうか。
何を隠そう、この記事を書いている私も、つい最近までラッソーガードをされるのが大嫌いな柔術家のうちの一人でした。
それもそのはず、ラッソーガードってめちゃくちゃ鬱陶しいですよね。
巻きつけられた側の腕は拘束され、たちまち自由を奪われます。
我々人間は、意識するかしないかはともかく、潜在意識の中で常に『自由』を追い求めている生き物です。
多くの人は、会社や家庭、その他様々な人間関係に悩みを抱えています。
家のローンに縛られ、車のローンに縛られ、会社の人間関係に縛られと、ふと自分の生活を振り返ってみると、何かに縛られていることだらけなのではないでしょうか?
柔術家にとって、柔術とはそんなストレスフルな日常から我々を解放してくれる最高の趣味のはずが、その柔術でも縛られて身動きを取れないようにされるとなるとたまったものではありません。
ラッソーガーダーは、我々の平穏な柔術ライフを脅かす危険人物です。
すぐにでもラッソーガードの処理を学んで、我々の自由を守りましょう。
ラッソーガードとは?
まず最初にラッソーガードとは何か?について知っておきましょう。
ラッソーガードとは、自分の脚で相手の片腕を拘束する形のガードを指します。
ラッソーの語源は、英語の『LASSO』で、直訳すると『投げ縄』という意味のようです。
言葉の意味を調べるサイト『コトバンク』では以下のような検索結果となりました。
野生の馬や牛を捕えるため一端を輪にした長さ 15~30mの縄。ラテン語のラケウス laqueus (紐) からスペイン語のラゾ lazo (わな) を語源とする。アメリカの西部で盛んに使用されたが,現在はおもにミシシッピ川以西の広大な放牧地で,カウボーイあるいはカウパンチャーと呼ばれる牧童たちが用いている。普段は鞍の右前に巻いておき,獲物を捕える際,目的の獲物を追いながらラッソを頭上で振回して反動をつけ,その首または足に輪がかかるように投げる。
(コトバンクより引用。)
つまり『ラッソー』とは、動きを拘束するための縄のことを指しているということですね。
柔術においても、相手の動きを拘束するのに適したガードなので最適な名前ですね。
ラッソーとスパイダーを組み合わせたり、ラッソーとリバースデラヒーバを組み合わせたりした形が比較的よく見られる形で、ここからのアタックのパターンなどが沢山ある非常に強いガードの一つです。
ラッソーをされた時のポイント
というわけで、ラッソーガードのパスの方法を学ぶ前に、まずはラッソーガードをされた時に、必ず意識したい重要なポイントについてまとめてみました。
ラッソーガードをされた際に、頭の中に入れておきたいポイントは以下の5つです。
①まず、握れるところを握っておく。
②ラッソーされている腕を膝で守る。
③ラッソーと逆側の脚から対処していく。
④ラッソーのテンションがかかっているまま、相手に近づくのは危険。
⑤ラッソーが残っていてもパスガードの3点は認められる。
順番に見ていきましょう!
まず、握れるところを握っておく。
ラッソーをされたときに、まず最初に意識したいのは『とりあえずどこでも良いので、握れるところを握ってしっかりグリップを作る』という点です。
どういうことかと言いますと、ラッソーガードの対処法として誰もが知っているテクニックで、手首を外に回す動きがあります。
ラッソーの解除の方法で最初に教わるテクニックの一つですよね。
この動きはとても大事な動きで、ラッソーをされた時に、まず最初に行うようにしたい動きであることには違いないのですが、いかんせん、ラッソーガードをしてくる人は、大概グリップを引く力が尋常じゃなく強く、手首を回すこの動きを簡単にはさせてくれません。
共感してくれる人も多いかと思いますが、『ラッソーをされたら、手首を回して解除』なんて夢物語ではないかと思うくらい、手首を外に回すのが難しいことって多いですよね。
この際に、手首を回すことができないからといって、どこも持たずに腕を遊ばせてしまっている人がいるのですが、これがあまりよくありません。
どこにもグリップがなければ、相手からすれば簡単に腕を引いて、オモプラータや三角絞めを狙える状態なので、ラッソーをされている側の手は必ず相手の身体のどこかを握るようにしましょう。
帯や同側のラペラを握っておくのがオススメです。
握ったら、しっかりと脇を閉じて、簡単には腕のアタックをできないようにしておきます。
ラッソーされている腕を膝で守る
続いて、ラッソーをされている時に意識したいポイントが、自分の膝を使って、ラッソーをされている腕を守ることです。
どういうことかと言いますと、ラッソーをされている時に、まず最初に気をつけなければいけない点は、相手のサブミッションのアタックを防ぐことです。
ラッソーをしている相手が最も狙いたいアタックは、オモプラータや三角絞めです。
相手はラッソーを使って、こちらの脇を開かせてオモプラータなどを狙ってくるので、簡単にサブミッションを喰らわないように、しっかり脇を閉じて、前もってディフェンスする必要があります。
この際に、ラッソーを巻かれている腕の近くに膝を置いておくことで、オモプラータや三角絞めのアタックを未然に防ぐことができます。
まずは、グリップをしっかり作って、自分の腕を守ってディフェンスから始めます。
ラッソーと逆側の脚から対処していく。
ラッソーガードをパスしていくときのステップとして大事なのが、ラッソーガードを作られたら、まずは逆サイドのグリップや脚をしっかり潰していくことが大切です。
ラッソーガードをされている状況を思い出してください。
大抵、ラッソーの逆のサイドはスパイダーで腕をコントロールされていたり、デラヒーバで脚をコントロールされているはずです。
・ラッソーとスパイダーを作られている形。
・ラッソーとデラヒーバを作られている形。
ラッソーのテンションがかかっているまま、相手に近づくのは危険。
ラッソーガードの対処法を知らない人がよくやってしまう間違いとして多いのが、ラッソーを潰すことができていないのに、プレッシャーをかけようとして、そのまま相手に近づいてしまうことです。
多くの場合、ラッソーをされている腕の方には回れないから、ラッソーをされている側とは逆の方へ移動して相手に近づこうとするはずですが、この動きは避けた方が無難です。
なぜかというと、ラッソーガードをしている人がまず最初に狙っているのが、以下の動画のようなスイープです。
先述したように、ラッソーを潰せていないのに不用意に相手に近づいてしまうと、相手からすると、脚を簡単にすくうことができてしまい、とても簡単にスイープをすることができます。
ラッソーをされている時は、ラッソーをされている腕側へのスイープをまず初めに警戒しなければいけません。
ラッソーで腕をコントロールされているということは、同じ方向にスイープのアタックが来た際に、手を衝いてバランスを取ることができないので、簡単にスイープをされてしまいます。
ラッソーをされている時は、重心をやや低くして、ラッソーされている腕とは逆の方にベースを作ることが第一選択肢です。
ラッソーが残っていてもパスガードの3点は認められる。
最後にもう一つ頭に入れておきたいポイントが、『ラッソーが残っていてもパスガードは認められる』という点です。
どういうことかと言うと、パスガードのアタックを仕掛けている際に、『もうほとんどパスできて、相手の身体を抑え込んでいるんだけど、それでも相手がしつこくラッソーを解除せずに粘っている』みたいな状態ってありますよね。
以下のような状態。
この場合でも、パスガードの3点は認められています。
一見、ほとんどパスしているように見えるけど、ラッソーが残っているからダメなのかなと思うかもしれませんが、この形でもパスガードのポイントは入ります。
(下記動画1:20〜参照)
つまり、仮にラッソーが残っていたとしても、相手の脚を流して上半身をしっかりと抑え込むことに成功すればパスガードは成立します。
ここまでが、ラッソーの対処法として絶対に頭に入れておきたい項目です。
ここからは、具体的なラッソーの外し方やパスガードの方法について見ていきましょう!
ラッソーの外し方は意外と沢山ある。
ラッソーをされた時のポイントがわかったところで、次は早速ラッソーをパス(解除)する方法を見ていきましょう!
今回は、最も多いシチュエーションの一つである、ラッソーとスパイダーを同時にされているポジションからのパスについて説明します。
ラッソースパイダーをぶっ壊す。まずはスパイダーグリップの対処から
ラッソーとスパイダーを同時にされている場合、まず最初に対処していくべき点はスパイダーです。
まず、ラッソーされている側は、できれば手首を外に回しておくか、相手の引く力が強くてそれが難しい場合、帯やラペラをしっかり握っておくようにしましょう。
簡単には手を回すことができない場合がほとんどなので、握れるところを握っておきましょう。
右手でしっかりとグリップを作ったら、今度は左の手首を回してスパイダーグリップを解除していきます。
と言いたいところなんですが、相手も本気で袖を引いてくるので、手首を回すだけでスパイダーグリップを解除するのは至難の技です。
単に引っ張られている袖を引っ張り返すのでは、グリップを解除することができないので、まず自分の膝を使って、相手がスパイダーをしている脚を曲げるようにします。
自分の膝を相手の膝裏に押し付けるようにすると、相手の膝が曲がります。
こうすることで、相手のスパイダーのプレッシャーを潰すことができます。
スパイダーが緩んだら、すかさず手首を内回しします。
この状態が作れたら、自分の膝で相手の膝を押すようにしながら、腕を引き上げるようにすることでグリップを解除することができます。
ここまで来たら、以下の画像のような状態になっているかと思います。
(逆サイドからみた状態です。)
この状態を作ることができたら、相手が右手でこちらの脚に触ろうとしてくる前に、両足を引いて、自分の下半身を相手から遠ざけるようにします。
(ラッソーだけが残っている状態。)
ここから、ラッソーを解除するために、右手で持っているラペラや帯を自分の方に持ってくるように引きつけると同時に、脇パンチをしてラッソーを解除します。
この時点でラッソーガードの解除は成功です。
ここから再びガードに戻されないように、相手が腰を切ってこちらに向き直ってくる前に、左手で相手の足を直接握って、左に流してレッグドラッグに移行します。
自分の右肩で相手の左肩にタックルするようなイメージでプレッシャーをかけてパスガードを完成させます。
ラッソーのグリップをされているままレッグドラッグをするイメージです。
まとめ
以下、ラッソーをされた際の注意点とパスガードの手順についてのまとめです。
ラッソーをされた際に意識するポイント
①まず握れるところをしっかり握る。
②ラッソーを巻かれている腕をしっかり守る。
③ラッソーのパスはラッソーの逆から潰す。
④不用意に近づきすぎない。
⑤ラッソーが残っていてもパスガードは成立する。
①脇を閉じ、膝を近づけて腕を守る。
②ラッソーされている側の手で握れる場所を握る。
③グリップを作ったら、逆サイドのスパイダーから解除していく。
自分の左膝を相手の右膝の裏に当てて、相手のスパイダーのテンションを緩めて、手首をサークルしてグリップ解除。
④解除したら、両脚を相手から遠ざけて距離をとる。
⑤右手で持っているラペラを引いて、右脇で脇パンチをしてラッソー解除。
⑥左手で相手の足を流してレッグドラッグ。
⑦右肩でタックルするように相手の肩にプレッシャーをかけてフィニッシュ。
注)④と⑤は同時に行います。
以下、このパスガードを行う際の注意点です。
手順②で相手のラペラを握る場合は、なるべく高い位置を握ることが重要です。
ラペラを握る目的は、相手の身体を引き上げて、少しでもラッソーのテンションを緩める為です。
この際に、ラペラの位置が低すぎると、ラペラを引いても相手の身体を引き上げることができないので、握れる範囲で高い位置を握るようにすることが大切です。
最後に
いかがでしたでしょうか?
今回の記事では、ラッソーガードの対処方法とパスガードの方法についてまとめてみました。
ラッソーに対するパスの方法などは他にも沢山ありますので、色々な方法を試してみて自分にあったパスガードの方法を探してみましょう!
ラッソーガードの対処に悩んでいる方は今回の記事で紹介したテクニックを是非試してみてくださいね!
この記事を読んでくださった皆さんが、無事にラッソーガードのパスに成功し、平穏な柔術ライフを取り戻せることを心から祈っております。
PS…この記事を読んでくださった私の練習仲間の皆様、明日以降これみよがしに私にラッソーを巻くのは絶対におやめください。
『押すなよ!絶対押すなよ!』の下りではありません。本当に巻かないようにお願いします。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
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