今回の記事のテーマは『グラップラーのトレーニング』
世界で一流とされている、柔術家やグラップラーの『トレーニング』に注目してみたいと思います。
全国各地で緊急事態宣言が延長されましたね。
緊急事態宣言延長
9月30日の解除目指す
政府9月30日の期限で解除できるよう、
▼医療提供体制を強化するとともに
▼飲食店の営業時間の短縮や
▼テレワークの推進などへの協力を
呼びかける方針です。https://t.co/gAMF0giV4B— NHKニュース (@nhk_news) September 10, 2021
最初の緊急事態宣言の頃は、ほぼ全ての道場やジムが閉まってしまい、物理的に運動することができませんでしたが、流石に第5波ともなると、ジムも感染対策を徹底した上で開けているところが多いようです。
ただ、道場が開いているといえど、流石にこのご時世なので練習に来ている人は多くありません。
私が所属している道場の場合、最近は数人集まればいい方で、せっかく練習に来たのに誰もいないなんて日もあります。
柔術は生活に必要か不必要かと聞かれると、私の場合は間違いなく必要なんですが、不要不急の外出であることは間違いないので仕方ない状況です。
柔術家が柔術できない時に行うべきは、『柔術テクニックの学習」と『ドリル』と『トレーニング』の3点です。
今回は、その中で最も大切とも言えるトレーニングについて、世界のトップグラップラー達が実際に行なっているトレーニングを参考に勉強していきましょう。
グラップラーが行うべきトレーニングがわかる。
世界トップグラップラーが実際に行なっているトレーニングがわかる。
グラップラーのトレーニング
まず、そもそも『柔術家やグラップラーにトレーニングが必要かどうか?』という議論がありますよね。
『柔よく剛を制す』や『Technique conquers all』という言葉が度々出てくる柔術の世界では、フィジカルよりもテクニック、筋トレよりも技練が優先されがちですが、これらは半分正解で半分不正解。
確かにテクニックは重要ですし、まず最初にある程度の基礎を学習する必要がありますが、ある程度のテクニックを習得した時点になると圧倒的にフィジカルの重要性が高まります。
テクニックが同じレベルの選手が試合した場合、勝つのはフィジカル能力が優れている選手です。
現在の柔術&グラップリングシーンでは、フィジカルトレーニングは欠かせません。
ということで、『グラップラーにトレーニングが必要か?』という質問に対する答えは間違いなくYES。
間違いなく、グラップラー(ギ、ノーギ問わず)にはトレーニングが必要です。
むしろトレーニングはテクニックと同じくらい重要と言っても過言ではないくらい。
とは言っても、トップレベルのグラップラーがどんなトレーニングを行なっているのかって、実際にはあまり知られていないですよね?
超一流のアスリート達はトレーニングも普通とは違うのか?
その一部を一緒に見ていきましょう!
ノーギKINGのゴードンライアンの場合。
現在、世界一のグラップラーとの呼び声高い、ゴードンライアンのトレーニング映像がYouTubeにアップされています。
この日のトレーニングメニューは腕。
UFCジムでトレーナーと二人三脚で、上腕二頭筋と三頭筋をトレーニングしています。
わかる範囲でのメニューは以下の通りです。
上腕二頭筋 ケーブルカール、インクラインダンベルカール
上腕三頭筋 ケーブルプッシュダウン、フレンチプレス
他の一般的なスポーツと比べて、柔術やグラップリングでは腕の力も重要なので、ボディビルダーと同じようなメニューの組み方で腕を鍛えています。
それに加えてハンギングレッグレイズで腹筋も鍛えていますね。
細かいトレーニングメニューを見てみないと厳密にはわかりませんが、ゴードンの身体を見る限り、ボデービルダーのように身体のパーツを細かく分けて、それぞれ部位別に鍛えていることは間違いなさそうです。
しかも全ての種目ではありませんが、アームカールやプッシュダウンをケーブルで行なっていたりと、筋力やパワーの向上だけを目的としているのではなく、筋肥大を目的としたメニュー組みをしていることは間違いなさそうです。
(ケーブル種目でネガティブ動作の際に徒手で抵抗をかけたりと、やっていることはまさしくビルダーのトレーニングです。)
一般的に、アスリートは上腕二頭筋や三頭筋などを細かく鍛えることよりも、『コンパウンド種目』と呼ばれる、一つの種目で複数の関節が動いて、多くの筋肉が働く種目を行うことが多い(下半身の場合スクワットや、上半身の場合はスタンディングでのショルダープレスなどが代表例)ですが、動画を見る限りゴードンの場合は、腕だけを鍛える日なども設けているようです。
もちろんスクワットやデッドリフトも間違いなく取り組んでいると思いますが、トレーナーがビルダーなのもかなり関係してそうです。
これはゴードンが特別というわけではなく、他のグラップラー達にもそういった傾向があるようですね。
次は世界トップの柔術道場『ATOS』の総師範ガウヴァオのトレーニングの様子を見てみましょう。
ATOSのBOSSアンドレの場合
筋肉ダルマで有名なATOSの総師範ガウヴァオ。
グラップラーでトレーニーと言ったらこの人を忘れてはいけませんね。
この人もトレーニングに相当力を入れて取り組んでいます。
YouTubeでも動画が上がっていますが、SNSにも本人がトレーニング動画をアップしていて、かなりの高重量でのスクワットやデッドリフトに取り組む様子が見られます。
それだけでなく、ダンベルでのアームカールやハンマーカールを行なっている様子が映像に残っていたりと、ゴードンと同じく、腕などの体幹以外の部分もしっかりとトレーニングを行なっているようです。
二人共通して言えることですが、世界一と称されるレベルの選手でも、何も特別なトレーニングを行なっているのではなく、取り組んでいるのは基本種目がほとんどのようですね。
趣味レベルの柔術家が行うべきトレーニングとは?
上で紹介した二人のトレーニングの様子を見て、やっぱりプロはすごいな〜ということがわかりますが、では、実際に趣味レベルで柔術をやっている人は、柔術の競技力向上の為にはどのようなトレーニングを行えばいいのでしょうか?
(趣味レベルと言っても差があると思いますが、ここでは柔術で飯を食っている人以外は趣味レベルとして一括りにさせていただきます。)
自重トレ?それともウエイトトレーニング?
はたまた、プライオメトリクスなどの専門種目が必要?
色々なトレーニングがありますが、実際に行うべきトレーニングは一つ。
答えはズバリ、超ベーシックなウエイトトレーニング。
これに限ります。
一人で行うなら、プライオメトリクスなどの専門的な種目よりも、もっと簡単で誰もが知っているような基本的なトレーニング種目をやりこむことが大切です。
(プライオメトリクストレーニングとは、ボックスジャンプやスクワットジャンプなどのスポーツ競技力向上を目的に行われる専門種目です。)
勿論、時間と体力の余裕があれば、プライオメトリクストレーニングやサーキットトレーニングなどで瞬発力や持久力を鍛えた方がさらなる競技力向上が望めますが、そこまでの時間がない人がほとんどでしょう。
我々のように、仕事をしながら趣味で柔術をやっている柔術家が取り組むべき種目は、ベンチプレスやスクワット、デッドリフトなどのBIG3と呼ばれるウエイトトレーニングの基本的な種目だけでも十分です。
現在は非常に便利な時代なので、BIG3などのウエイトトレーニングの正しい行い方もYouTubeで検索すればすぐに動画を見ることができます。
ただ、本当にしっかりトレーニングについて勉強するなら、やはり専門書で学習するのがオススメです。
以下、オススメの筋力トレーニングの参考書です。
目で見る筋力トレーニングの解剖学
まずオススメなのが、『目で見る筋力トレーニングの解剖学』
この本では、BIG3を始めとした様々なウエイトトレーニングの正しい方法が簡潔に説明されています。
トレーニングの原則の一つに、意識性の原則というものがあります。
自分が今行なっている種目で鍛えている筋肉をイメージ(意識)しながら行うことが非常に大切ということなのですが、この本では一つ一つの筋肉が非常にわかりやすくイラストで描かれているので、筋肉の走行や収縮をイメージするのにとても便利です。
BIG3以外にも、全身の様々な種目が図解されているので、目を通すだけでも非常に面白い書籍でオススメです。
スターティングストレングス
『とにかくBIG3について徹底的に詳しく学びたい!』という人には『スターティングストレングス』がオススメです。
この本では、BIG3のやり方やポイントについて、市販されている本の中ではダントツに一番詳しく説明されています。
ベンチプレスのグリップやスクワットの足幅についてなど、BIG3の細かいポイントについて、これでもか!というくらいの細かい説明が載っていますので、キチッと本腰を入れてBIG3に取り組んでみようと考えている人にとって必読書です。
正直言ってBIG3さえしっかり行えば、他の種目はやらなくてもいいと言っても過言ではないくらい効果が高いので、時間に余裕のない人はBIG3だけを徹底してやるようにしてもいいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回の記事では、柔術家とグラップラーのトレーニングに注目してみました。
緊急事態宣言下、なかなか思うように練習できていない人がほとんどかと思います。
モチベーションが下がったり、やる気が出なくて当然ですが、そんな時こそ気合を入れて、今できることに全力で取り組むことが大切です!
対人練習が思うようにできない今だからこそ、ウエイトトレーニングがオススメです!
早速明日からトレーニングをやってみるのはいかがですか?
怪我のないように注意して、フィジカル能力の向上を目指して頑張りましょう!
筋トレを始める人は、最善の効果が出るように食事とサプリメントにも注意するようにしましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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(サムネ画像と本文中の画像はPALDUN ONLINE STORE様より引用させていただきました。)