まだまだコロナウイルスに関して油断できない状況ではありますが、先月からJBJJFを中心に柔術の全日本選手権や全日本ノーギが開催され、少しずつ柔術界にも熱が舞い戻ってきましたよね。
今後、さらに全国各地で各団体の大会が行われる予定となっていましたが、一転してJBJJFが『10月以降の大会の開催スケジュールを未定とする』と発表しました。
各地で緊急事態宣言が発令されているので仕方ないことではありますが、成長の為の一番のキッカケである試合がなくなるのは辛いことですよね。
中には練習するのもままならない人も多いかと思います。
試合もないし、練習にも行けないからモチベーションがダダ下がり。。。
こんな時は、今できることに全力を注ぎ、来るべき再開の日に備えるしかありません。
道場に行けない時でもできることは、主に『テクニックの学習』『トレーニング』『打ち込み(ドリル)』の3点です。
どれも強くなるためには欠かせない必須項目ですが、そんな中でも今回は『打ち込み(ドリル)』に注目してみたいと思います!
ちなみに、一つ目の『テクニックの学習』ですが、最近はYouTubeなどの動画で学習している人が多いかと思います。
YouTubeでテクニックを学ぶ際は、Atosのチャンネルが非常にわかりやすくてオススメなので是非チェックしてみてください。
目次
アンドレ・ガウヴァオに学ぶ勝つ為のドリル
今回、なぜドリルについての記事を書こうかと思ったかと言いますと、全てはこの本との出会いに理由があると言えます。
その本の名は、『DRILL TO WIN』
日本語で『勝つ為のドリル』という意味です。
いかにもアメリカっぽいタイトルですよね。
道場の片隅にある本棚の中に眠っていたところ、代表にお願いすると快く貸していただきました。
私が柔術を始めたのが今からちょうど5年前。
それ以前の柔術界についてはほとんど何も知りませんが、ここ5年だけでも柔術の技術はこれでもか!というくらい進化してきましたよね。
ベリンボロにラペラガードにマトリックスetc,,,,
これだけ変化のあった世界で10年以上前に出版された本に、果たして有益な内容があるのかどうか?
内容についてはあまり期待していなかったのですが、ところがどっこい、最初の章を読んだ時点でそんな印象は消え去りました。
この本は全柔術家にとって必読書といっても過言ではないくらい有益です。
『是非当ブログを読んでくださっている柔術家の皆さんにも読んで欲しい!』と思ったものの、ネットで購入しようと検索してみると、すでに絶版していることもあり手に入れるのはかなり難しい代物になっているようです。
そこでこの記事では、本の中身をそのまま紹介することはできないので、私が本書を読んで非常に参考になったと感じた点や、実際にドリルをやってみた感想などについてまとめてみました。
柔術家の皆さん必見です。
是非最後までお読みください!
強くなる為に大切なことがわかる。
柔術の為にやるべきドリルがわかる。
(YouTubeの本要約チャンネルなどで、ほとんど本の中身全てを解説している動画があったりするのですが、さすがに本の内容をそのまま載せるのはいかがなものかと思うので、あくまでも私が参考になった部分をまとめてみました。)
考え方によっては食事だってドリルの一つだ
勝つ為のドリル!!
一体どんなハードな動きやトレーニングについて書かれているのだろうかと思うやなかれ、第一章はなんと食事と栄養の話から始まります。
『一度、柔術競技をやると決めたなら、最初にフォーカスしないといけないのはダイエットだ。』
ガウヴァオは柔術競技に真剣に取り組んでいるので、ドリルとかトレーニングとかそんなものよりも、何よりまずは食事と栄養の摂取について力を入れているようです。
『チャンピオンになる為には、トレーニング、栄養、休養、メンタルの全てを高いレベルで維持しなければいけない』とはガウヴァオ談。
ガウヴァオは栄養士の免許を持っている訳ではないようですが、食事についてはかなり気を使っているようで、特にジャンクフードは極稀にしか食べないようにしているとのことです。
本書にはガウヴァオの食事メニューが載っています。
食事内容はかなり厳密に考えられているようで、摂取する栄養の内容と摂取する時間まで事細かに書かれています。
ただ、実際に記載されている食事メニューを見てみた感じ、摂取する時間や内容などはかなり細かく決めているようですが、特別珍しい物を食べているというわけではないようです。
特徴を挙げるとすればフルーツをよく食べる点でしょうか。
この辺はガウヴァオがブラジル人ということもあるのかもしれませんが、一般的な日本人に比べると、かなり頻繁にフルーツを食べているのではないかと思います。
ブラジルには日本には無いフルーツが沢山あったりすることから、『ブラジル人はフルーツが好き』という印象を抱いている人も多いのではないでしょうか?
柔術家にとって馴染みの深いフルーツである『アサイー』もブラジルが発祥とされていますしね。
私が学生時代コストコでバイトしていた際のバイト仲間のブラジル人も、休憩時間にいつもフルーツを食べていたので、ブラジル人にフルーツが好きな人が多いのは間違いないかと思います。(あくまで個人の印象です。)
ガウヴァオは一日の食事で3回もフルーツを食べているようなので、この辺に彼の強さの秘密があるのでしょうか?
ちなみに、調べてみると日本人は世界でも果物摂取量が最低レベルのようで、特に若い男性はフルーツをほとんど食べない人が多いようです。
理由としては、『価格が高い、贅沢品』といった理由が多いようですね。
日本は外国に比べるとフルーツの値段が非常に高いみたいで、お中元とか贈り物とかにも選ばれていることから、『フルーツ=高級品』という印象が強いですよね。
確かに、りんごとかバナナなら百円ちょっとですが、桃とかブドウとかになるとスーパーでもかなり高いですからね。
日本人はあまり食べないフルーツですが、フルーツにはアスリート必須の栄養素である、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれている点から、適切な量を摂取することは強さの一つの秘訣かもしれません。
その他の特徴としては、やはりプロテインをしっかり摂取するようにしているところでしょう。
グルタミンやBCAAについても言及されていますが、特にプロテインについては摂取タイミングなどについて事細かに記されているのと同時に、プロテインパウダーだけでなく様々な食材からタンパク質を摂るようにしているようです。
ざっくりまとめると、栄養バランスの良い食事をタイミングをしっかり考えて食べているということですね。
炭水化物もしっかり摂取していて、野菜と果物からビタミンとミネラルを補給して、勿論タンパク質は多めに摂取といった感じでしょうか。
そんなこんなで、第一章はガウヴァオの食事とサプリメントの内容の解説で終わります。
減量中の食事やサプリメントについても事細かに載っていますのでかなり有益な内容です。
やはり、どの競技でもトップレベルになると食事と栄養が本当に大事になってくるようですね。
もはやアスリートで食事を適当に摂取している人はいないと言っても過言ではないかと思います。
テニスのジョコビッチも自分に合ったグルテンフリーの食生活を始めてから著しく成績が向上したり、サッカーのメッシも若い時は怪我を繰り返していたものの、ある時から栄養士をつけて食事を意識するようになってから、さらに怪物級の活躍を見せるようになった話は有名です。
↑ジョコビッチの食生活の改善についての書籍です。小麦に含まれるグルテンとパフォーマンスの関係について、興味深い話が記されているので興味のある方は是非上記のリンクからチェックしてみてください。
柔術はテニスやサッカーに比べるとメジャーではありませんが、ガウヴァオも他のスポーツのトップアスリートと同じくらい競技に向き合った結果、食事を意識するようになったことは間違いないでしょう。
あなたの最近の食生活はどうですか?
『強くなるために必要なことを反復することがドリル』なら、考えようによっては食事だって立派なドリルですよね。
私は毎日ポテトチップスとコーラを飲む生活をしていましたが、この本を読んでからキッパリ辞めました。
まずは食生活の改善からドリルを始めましょう!
ソロドリルからスタート
肝心のドリルはソロドリルからスタートします。
最初は前転と後転を組み合わせた動きなど、ごく基本的なドリルの紹介から始まります。
エビ
柔術の最も基本的な動きと言っても過言ではない『エビ』もドリルの一つです。
ガードリテンションの時に使うイメージのある動きですが、最近ではパスされそうな時はエビをしてはいけないという話もありますよね。
エビをすることによって相手がパスしやすくなるという話もあるくらいです。
ただ、盲目的にエビをするのは良くないとしても、柔術に必要な動きである事は間違いないことから、ウォーミングアップのドリルとして行うのに最適な動きです。
レッグスイング
レッグスイングと呼ばれるブレイクダンスのように脚を大きく振り回すドリル。
全てのドリルには回数と時間が設定されています。
例えばレッグスイングの場合は10〜20回を普通くらいのペースで。
レッグスイングはトレーニングの前に、股関節やコアの部分のウォーミングアップとして行います。
スクランブルやガードリテンションの際に役立つ動きになるようです。
ジャカレ
多くの道場でウォームアップとして採用されているワニ歩きもドリルの序盤で登場します。
狭い家でやるべき動きではありませんね。
このジャカレこと『ワニ歩き』
ブラジルの伝説の柔術家であるジャカレが行なっていたことで注目を集めた動きですよね。
このワニ歩き自体をジャカレと呼ぶ人も少なくないのではないかと思います。
この動きはコーディネーションの向上に効果があるのと同時に、コアと上半身の非常に有効なトレーニングでもあります。
ポイントはなるべく低い姿勢を保って、常に上半身の筋肉にストレスを与えておくこと。
柔術においてはガードをパスするときに非常に有効な動きで、特にハーフガードをパスする時などに使うので全ての人が必ず行うべき動きの一つかと思います。
実際、手を抜かずに真剣にやると、腕から股関節周囲の非常に良いトレーニングになります。
肩甲骨周りや股関節周りの非常に良いストレッチにもなるのでウォーミングアップとして柔術家みんながやるべきドリルの一つですね。
ブリッジターン
ブリッジターンはマウントを取られている際にブリッジで返す時の動きに似ていますね。
他にも、パスされそうになった時のガードリテンションにも使える動きだそうなので、非常に有益なソロドリルの一つですね。
ブリッジしてから、脚を大きく回して起き上がるようにするのがポイントです。
首抜き後転
首抜き後転はガードリテンションの際に超重要な動きの一つですね。
左右どちらかに首を倒したまま後転する動き。
これもパスをされそうになっているタイミングで非常に使える動きで、柔術において超重要です。
首や肩のウォーミングアップにも最適なドリルです。
なぜこのドリルを行うのか?
この他にもソロでできるドリルが本書には山ほど載っています。
中には初見のドリルもありますが、大体が練習前のウォーミングアップなどに取り上げられている動きなので、ほとんどの人が一度はやったことがある動きだと思います。
今まで何回も繰り返し行なっている動きでも、何となくやるのと、動きの意味と目的を考えてやるのとでは、意識も大分変わるので、何でこの動きをやるのかということを考えながら行うのがドリルの効果を高めるポイントですね。
パートナードリルは、、、
ソロドリルの次は、バランスボールを使ったドリルやパートナードリルに移っていくのですが、、、、、
すみません、これ以降のドリルの紹介は自重したいと思います。。。
というのも、ソロドリルの方は、私も現在自分が所属している道場や、過去に所属していたり出稽古で伺ったことがある道場の練習で経験したことがある動きがほとんどだったこともあり、すでに知っている動きなので紹介しても大丈夫かと思ったのですが、本書で紹介されているパートナードリルは、私自身見たこともやったこともない動きが沢山ありましたので、さすがにこのドリルを紹介するのは著作権的に問題があるのではないかと思い控えさせて頂きます。
気になる人は是非『DRILL TO WIN』を購入して、その目で確かめてください!
すでに絶版していて、少々高額であることもあり、なかなか手に入れるのが難しいかと思いますがAmazonや楽天にはいくつか出品されているので是非チェックしてみてください。
食事の見直しやソロドリルなど、一人でも強くなる為に出来ることは沢山ありそうですね!
『DRILL TO WIN』を実際に読んでみて、数あるドリルをやってみた感想として、この本は大袈裟でなく全柔術家にとって必読書といっても過言ではないレベルの良書だと思いますので要チェックです。
何よりガウヴァオの柔術に対する向き合い方や考え方は非常に参考になりますし、柔術に対してのモチベーションを高めてくれるという意味でも超オススメです。
ドリルと言っても、技の打ち込みのドリルだったり、柔術の基本的な動きのドリルだったりと様々です。
私は今紫帯を巻いているのですが、本書で紹介されている動きのいくつかはスムーズに行うことが出来ませんでした。
5年近く柔術をやっていて恥ずかしい限りですが、これも伸びしろだと考えてボチボチドリル練習にも力を入れていきたいと思います。
読者の皆さんも、こんな状況だからこそ、今できることに集中して楽しみながら練習しましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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