柔術家インタビュー企画第4弾!となる今回は、
最強格闘技の一つとの呼び声もある『空道』の指導者でありながら、
白帯として柔術の練習にも励む、羽島俊洋さんに登場していただきます!
第3弾までをまだお読みでない方はこちらも是非一緒に読んでみてください↓
この記事では、空手と空道の指導者でありながら44歳から柔術を始めた羽島さんに、
柔術を始めたきっかけ
空道の寝技と柔術の寝技の違い
新しい事を始める時の心構え
などについて語ってもらいます!
目次
羽島さん基本情報
名前 羽島俊洋
生年月日 1974年5月5日
柔術所属 モンスターハウス
階級 ライト級
帯色 白帯
格闘技以外の趣味 飲酒、読書、noteで文章を書くこと
空道
2012年 誠空会全日本空手道選手権ライト級優勝
2018年 空道西日本無差別級準優勝
柔術
修斗杯関西ライト級&無差別級優勝
柔術を始めたきっかけ
羽島さん本日はよろしくお願いします!
きっかけはやはり空道での寝技の強化の為ですか?
元々空手出身なので、総合系の空道でもストライカー寄りだったのですが、だんだん若い選手のスピードについて行けなくなってきました。
ただ、空道という競技が元々空手から発展した武道なので、『打撃は強いが寝技はあんまり』という選手が、特に若手には多いので、ロートルの自分にはそこが狙い目かと思い、寝技を強化する為に始めたのがきっかけです。
空道って元々空手から発展した武道なんですね。
勉強不足で全く知りませんでした。
確かに競技で勝つには、その考え方はとても大切ですよね。
調べてみると、現在では総合格闘技の選手や柔術家にグラップリングを教えているくらい有名な人なようです。
そんなレベルの関節技なんかを見ていると寝技や柔術に興味を持つのも自然の流れかもしれませんね。
画像引用元…https://www.hotpepper.jp/mesitsu/entry/kemuta-otsubo/18-00283
聞きなれないから侮るなかれ、空道とは一体。
実際私も、羽島さんからお話を聞くまで空道という格闘技を知りませんでした。
私と同じく『空道』と聞いてピンと来る人は少ないと思いますが、空道とはそもそもどのような競技なんですか?
確かに現時点では知名度が低い競技である事は否めませんが、今後は2026年の青森国体でデモ競技として行われる事が決まっています。
総合格闘技でも団体やルールによっては禁止されている、頭突きや肘打ちも普通に認められているなんて、かなりハードな格闘技である事が伺えますね。。
急所を狙う事が認められているなんてヤバいルールですね。
ある意味一番実践に即している格闘技かも。。
ちなみに羽島さんは金的攻撃を喰らったことはありますか?(笑)
その試合は階級別だったので金的は無しだったんですが、首相撲から、両者同じタイミングで膝を出したらお互いの金的に当たったんです(笑)
たまたまタマタマにヒットしたということでしょうか?
本人達は猛烈な痛みでしょうが、見ている人からすると奇跡的な瞬間ですね(笑)
金的両者ダウンの瞬間の一枚↓(奇跡的な瞬間です。)
柔術なら13年あればほとんどの人が茶帯か黒帯になると思いますが、空道での帯のシステムなどはどんな感じなのですか?
ちなみに羽島さんは何帯になるのですか?
ちなみに柔術では帯の昇格に明確な基準が設定されていませんが、空道の昇級はどのように行われているんですか?
審査では、基本稽古(その場での突き蹴り)、移動稽古(前後に動きながらの突き蹴り)、ディフェンス、投げの打ち込み、簡単な寝技の打ち込み、筋力(拳立て、ジャンピングスクワット)などを見ます。
空道の技術だけならまだしも筋力までチェックされるとは。。。
それだけ審査項目も多いと、審査で脱落する人もかなり多いのではないですか?
柔術のように『青帯取るのも難しい!』ということはないです。
ただ、黒帯は難しいです。
黒帯の審査では十人組手を受けます。
打撃と投げまでの組手を4ラウンド→投げ+組み打撃(ヒジ・ヒザ・頭突き)の組み手を3ラウンド→寝技3ラウンド(上下どちらもやるので実質6ラウンド)を行います。
勝ちは1ポイント、引き分けは0,5ポイントで、5ポイント以上取らないと合格できません。
これはここで脱落してしまう人が多そうです(笑)
これがなかなかハードなので、何年も茶帯で止まっている人が沢山います。
茶帯までにすでに5段階あるのに、最後にその審査とは空道家は大変ですね。(笑)
公式戦に審査をかける事ができます。
試合内容や順位によって合否が決まる形ですね。
試合で勝つ事によって昇級していくことの多い柔術に近いシステムですね。
そっちの方がまだ楽そうです。(笑)
ちなみに羽島さんはどちらの方法で黒帯になったんですか?
(ちなみに一回目は失敗。二回目で取りました。)
弐段の時は、もう十人組手はやりたくなかったので試合審査で取りました。(笑)
加えて13年もの経験があれば、強くならないわけがないですよね。
『強くなる』のって稽古歴の長さよりも、『質』だと思います。
例えば、空手にも空道にもプロはありませんが、内弟子という制度があります。
内弟子とかになって、人生の一時期だけでも命を賭けてた人は、年数が短くてもとても強いですからね。
試合についてのエピソード(空道)
羽島さんはこれまでにどれくらいの数の試合に参加してきましたか?
トーナメントなので、知らない間に結構戦ってますね。(笑)
トーナメントなら試合数に換算するとそれ以上ですもんね。
試合は実力を試す場でもあり、成長に繋がる一番の舞台ですが、同時に恐怖を感じる舞台でもありますよね。
羽島さんが、今までに沢山の試合に出場してきたのには何か理由があったんですか?
あまりにも日常がつまらなかったので。(笑)
あと、この人間関係が希薄な世の中で、自分に対して他人がここまで真剣に向き合ってくることって、あまり無いじゃないですか。
相手は、見ず知らずの僕を『殺すつもり』で来るわけです。
こちらも、それ相応の気持ちで向き合うのが礼儀で。
で、それだけ『濃い気持ち』をぶつけ合った同士、終わったら友達になれたりするんですよ。
そういうところも、試合の好きなところです。
実際、自分も柔術の試合でそのような経験があります。
現在はコロナ渦で多くのスポーツの大会が中止になっているので、早く試合のある日常が帰ってきてほしいですね。
ただ、コロナ渦で大会が無くなり、自粛要請で練習も出来なくなった時期に、少し気持ちが切れた部分は正直あります。
『生涯武道』として稽古は一生続けますが、空道の試合にはもう出ないかも知れません。
ただ、試合を観るとやっぱり燃えるので、また出るかも知れません。
今はどっちかわかりません。(笑)
僕も自粛期間中は、あれだけ熱心に取り組んでいた柔術への熱が嘘のように冷めてしまって自分でもビックリしました。
当然、試合なんか考えられるわけもなく。
ただ、練習を再開するようになって、少しづつ熱が戻ってくると、やはり練習の成果を発揮したいという思いが出てきて試合にも参加したくなってきました。
現在は、コロナの影響で子供達の部活動にも制限が出ているので、本当に早く事態が収束してほしいですね。
失神KO負けした瞬間の一枚↓
後でDVDを見てみると失神した後に担架に乗せられるのが嫌で、駄々をこねまくっているのが恥ずかしくて印象的です。(笑)
失神KO負けについて↓
https://note.com/33203320/n/n7cbc7f93578b
やっぱり打撃系の格闘技は一瞬で勝負が決まってしまうので恐ろしい。。
そんな経験があるのなら、試合に出るのも怖くなってしまいそうですが、羽島さんはその後も普通に試合に参加しているんですよね。
失神KO負けが恐怖やトラウマになったりしませんでしたか?
恐怖心やトラウマがあるのに、、、ということなら、同じ道場の仲間で、試合中のローキック自爆でスネが逆方向に曲がるくらいの折れ方をした選手がいました。
僕が車で病院に運んだのですが。
正直、『もう復帰は無理だろう。』と思っていたんですが、治ったら普通に復帰して、今も試合に出ています。
ちなみに僕と同い年です。
この人に、『なぜそれでも戦い続けるのか』を聞いて、そのうちnoteに書きたいと思っています。
空道の寝技と柔術の寝技の違い
じっくりやっていると時間切れになるので、テイクダウンしたらすぐに極める必要があります。
柔術は黒帯だと試合時間が10分となり、比較的ゆっくりと試合が進む傾向があるので、柔術家からすると30秒で極めないといけないというのは結構シビアなルールですね。
関節技や絞め技は基本的には何でもアリですか?
柔術でいうニーオンかマウントを取った状態から、4発寸止めパウンドを打てば効果ポイント(1ポイント)が入ります。
薄いとはいえ、拳サポを付けたまま行うという点でも素手で行うのとは大きく感覚が異なりそうです。
↓空道で使われる拳サポーターがこちら。
関節技というものは力ずくで取るものだと思っていました。
しかし、実際にやってみて、柔術の技術には単純な腕力に頼らないロジックが沢山あり、これは本当に奥が深いと思いました。
試合にも出させていただき、『空道に生かす』とか抜きで柔術自体が楽しくなってきたところです。
以前は自分からテイクダウンして最初から上になってないと一本を取る事が出来ませんでしたが、柔術をやり出してから以降は、試合でも下になった状態からスイープして極める事ができるようになったり、確実にレベルアップに繋がりました。
新しいことを始める時の心構え
もちろん、初めて取り組む事なので白帯スタートは当たり前だと思うのですが、空手と空道で合計26年もの経験があったら白帯スタートに抵抗があったりしませんでしたか?
何歳になっても、ペーペーとして一から始められることは幸せなことだと思います。
そもそも空道を始めたのも30歳を過ぎてからです。
当時所属していた空手道場でも、黒帯で指導員でしたが、ずっと『着衣総合』というジャンルをやってみたくて、30歳過ぎた時に『今やらんと、選手としての着衣総合は間に合わん!』と思って転向しました。
結果空道をやって良かったと思っています。
確かに、新しいことを一から学べるというのは素晴らしいことなのかもしれません。
やってみて自分に合わなければ、それはそれでいいんです。
『自分には向いてなかった』ということも経験してみないとわかりません。
何か新しいことを始める際は、やらぬ後悔よりもやる後悔の気持ちを持つ事が大切ですね。
もしあの時やってなかったら、『芝居やってみたかったなぁ、、、。もしやってたら今頃売れてたかもしらんのになぁ、、、』とか、うじうじ悩みながら生きてたかもしれません。
後で後悔しないよう、興味があることには、何でも飛び込んでみたらいいと思います。
確かに、実際にやってみてチャレンジしなければ、いつまでたっても後悔してしまう可能性がありますもんね。
興味があったら、勇気を持って飛び込んでみる事が大切ですね。
新しい世界に勇気を持って飛び込んでみたら沢山の仲間ができるかもしれません。
コンテンツとしては絶対面白いのに、宣伝下手な団体なんで、マイナーです。(笑)
実は昔、『格闘技好きのビジュアル系大物ミュージシャン兼俳優のGさん』が大会を観に来た時があったんです。
普通なら壇上に上げて、『本日はGさんがいらしてます!』とかアナウンスして挨拶させて歌でも歌わせるところなんでしょうが、普通にスルーでしたし。(笑)
どうも東先生がそのタレントのことを知らなかったみたいで。
広告塔になってもらうチャンスだったのに。(笑)
格闘技好きで、ビジュアル系ミュージシャン兼俳優となるとほとんど特定できますが、そんな有名人も見にきたりしているんですね。
でも先生は、片手だけ上げて『おー』ってそっけない態度。
後で周りに、『今のにーちゃん誰?』って聞いてました。(笑)
メジャーになるチャンスは色々あったんですが、ことごとく潰してます。(笑)
2026年の青森国体に期待ですね!(笑)
まとめ
最後に柔術における今後の目標を教えていただけますか?
復帰した暁には、青帯を目指して頑張ります!
本日はありがとうございました!
写真引用元…全日本空道連盟大道塾
いかがでしたでしょうか?
今回は、管理人の練習仲間でもある羽島選手にインタビューさせていただきました!
羽島さんはnoteで文章の執筆もされています。
格闘家が書いたとは思えない(←失礼)ような、読んでいて、笑えたりどこかグッときたりする話が沢山ありますので、是非そちらもチェックしてみてください!
羽島さんのnoteはこちら↓
実は、このインタビューは羽島さんのnoteの記事を読んで、感銘を受けてオファーさせていただきました。
↓『それってホントに幸せですか?』
https://note.com/33203320/n/n55a7cdbc7932
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